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中西 利典*; 小松 哲也; 小形 学; 川村 淳; 安江 健一*
月刊地球「基礎データから考える第四紀学の新展開-I」号外No.71, p.148 - 155, 2022/02
熊野川中流部の穿入蛇行跡において採取したボーリングコア試料を観察・解析して同段丘地形の形成過程を検討した。古い段丘地形ほど現在の河床面よりも高い位置に分布すると想定したが、環流旧河谷の地下には支流成の土石流堆積物が厚く分布する場合があるため、同地表面を隆起・侵食の指標とする際には注意が必要である。
喜多 治之*; 中田 雅夫*; 田村 富雄*
PNC TJ7176 98-003, 68 Pages, 1998/03
岩盤中に水平坑道や立坑を掘削すると、空洞周辺では掘削の影響により岩盤本来の力学的・水理学的特性が変化する領域(掘削影響領域)が形成される。掘削影響領域における岩盤の特性の変化は、掘削による岩盤の損傷や応力再配分よる新たなクラックの発生、既存クラックの開口、あるいは閉塞によるものと考えられる。掘削影響領域の範囲を把握することは、地下構造物の設計、建設を行う上で非常に重要である。掘削影響領域の範囲を把握するために、東濃鉱山北延NATM坑道の発破掘削区間に掘削されたBVP-2号孔のコアを用いて、微細なクラックや空隙の分布状況を蛍光法と画像処理法によって調べた。蛍光法とは、岩石中のクラックや空隙に蛍光剤を固定し、紫外線を照射することによりクラックや空隙を可視化する方法である。蛍光法によりコアサイズの観察から薄片観察までの一連の観察を行い、自然光では識別できないような微細なクラックを可視化した。さらに、画像処理によるクラックの個数や長さの計測を行い、坑壁からの深度との関係を調べた。その結果、クラックの分布と坑壁からの距離との間に明確な相関は認められず、観察されたクラックの多くは掘削の影響により形成されたものではなく、乾湿にともなう劣化によって形成されたクラックであると推察された。